ピロリ菌がいるか調べたことありますか?
私は先日初めて検査しました。
最近たまに耳にすることもある気がするピロリ菌。。
いつかは検査したいと思っていたところ、健康診断のオプションでピロリ菌抗体の検査ができるようになっていましたので申し込みました。
- ピロリ菌とは
- ピロリ菌にはどうやって感染するの?
- ピロリ菌に感染するとどうなるの?
- ピロリ菌がいるかどうか、どうやって調べるの?
- 検査の結果はどうやって見るの?
- ピロリ菌がいたらどうしたらいいの?
- 最後に
※ 今回の記事は2022年9月に調べた内容です。専門医の指導のもと書いたものではないので、あくまでご参考まで。
ピロリ菌とは
▲ なんとなく顔描いちゃったけど、細菌なのでほんとは顔はないです。。
正式名称は、「ヘリコバクター・ピロリ」。
人の胃の粘膜に寄生して、胃の粘膜に炎症を起こす厄介な菌です。
「ヘリコ」は、「らせん」とか「旋回」という意味があります。鞭毛と呼ばれるヒゲみたいなのがあって、これも使って回転して移動するらしい。
「バクター」は、バクテリア。つまり細菌。
「ピロリ」は、胃の出口である幽門 (ピロルス) が由来。この菌は、胃の幽門部から見つかったそうです。
グラム陰性桿菌という細菌で、大きさは0.5 × 2.5~4.0μm。
胃の中は強酸性なので、通常菌が住むことはできませんが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素で、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解して、アンモニアで菌周囲の胃酸を中和することで、胃の中でも生息することができるのです。🥺
ちなみに、ピロリ菌以外にも胃に感染することができる菌がいるらしいです。😱
ピロリ菌にはどうやって感染するの?
ピロリ菌の本来の住まいは土の中。
…けど、井戸水や川の水を介して、人の胃に住み着いてしまうらしい。
そして現代の日本で最も多いのが、唾液を介した 人から人への感染。
今の日本の場合、80%は家族内感染 だそうです。
ピロリ菌に関しては、通常は 胃酸の分泌や胃粘膜の免疫機能が弱い幼少期に感染する と考えられていて、大人になって感染する可能性は極めて低いのだとか。
(といっても、ごく稀に大人になって感染する人もいるらしいけど。)
小さい子に大人が咀嚼したものを食べさせるのは絶対ダメですね。最近は見かけなくなりましたけど。。
ピロリ菌に感染するとどうなるの?
通常、ピロリ菌が幼少期に胃粘膜に感染すると、慢性的に感染状態が持続します。
そして、慢性胃炎が起こります (数週間から数ヶ月で100%)。
除菌しない限り、慢性炎症が続き、胃の粘膜を保護する力が弱くなり、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などの攻撃を受けやすくなります。
結果として、日本人の場合、8割以上が萎縮性胃炎 (胃酸などを分泌する組織が消失した状態) を来たし、そのうち1%未満が分化型胃がんに進行します。
また、慢性胃炎から直接、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、胃MALTリンパ腫などの病気を発症することもあります。
日本で行われた研究で、10年間で胃がんになった人の割合が、ピロリ菌に感染している人で2.9%だったのに対して、感染していない人280人では1人も胃がんの発生がなかった、つまり0%だったという報告があるそうです。
ピロリ菌がいるかどうか、どうやって調べるの?
いくつか検査方法があります。
胃の粘膜を採取して行う検査
迅速ウレアーゼ検査、培養法、鏡検法など
検体で行う検査
血清・尿中抗体検査、便中抗原検査、尿素呼気試験など
ただ、どの検査も、偽陽性や偽陰性 (陽性ではないのに陽性という結果となったり、陰性ではないのに陰性という結果となること) となる可能性があります。ということで、複数の検査を行なって判定することもあるし、より正確な診断をしたい場合は、内視鏡検査による診断が必要とのことです。
私が今回やってみたのは、血清抗体検査でした。
とりあえず一回やってみようという軽いノリだったので…採血するだけなので楽。
検査の結果はどうやって見るの?
今回、私は血清抗体は陰性でした。
ただ、偽陰性の可能性もあるから、絶対大丈夫かと言われると、そういうわけではないんですよね。(•ㅿ•̀๑)
抗体と血清ペプシノゲン値を想定して、胃の具合がどんな感じか推測する方法があるそうです。
ABC分類 | A | B | C | D |
---|---|---|---|---|
ピロリ菌 | (-) | (+) | (+) | (-) |
ペプシノゲン値 | (-) | (-) | (+) | (+) |
※ 血清ペプシノゲン値: ペプシノゲンは、胃液に含まれる消化酵素「ペプシン」のもととなる。胃粘膜の萎縮の程度を反映する。
A<B<C<D の順で胃がんのリスクが高くなるそうです。Dはピロリ菌いないならいいじゃん、となりそうですが、これは胃粘膜の萎縮がすすんで、ピロリ菌が住めなくなった状態を示すそうです。
なお、これはあくまで胃の健康度を確かめるようなものなので、胃カメラ検査などのように、がんを見つけるためのものというわけではありません。
A以外はピロリ菌の除菌の検討、定期的な検査の検討が必要な状態ということです。
あー。私ペプシノゲン検査はやってないから、この分類だと何になるのか分からないな…(-"-)
ピロリ菌がいたらどうしたらいいの?
少なくとも検査でピロリ菌がいることが分かったら、放置はしない方がいいです。
だって、前述した通り、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、、場合によっては胃がんになる可能性が高くなってしまうから。
ピロリ菌は 内服薬で除菌 することができます。
通常、1週間薬を飲んで、1ヶ月くらい後に除菌できているか確認するために再検査をするという流れになります。
1回で除菌できなかったら、もう1回…続く。
数年前から保険適用で除菌ができるようになりました。ただ、保険適用で治療するには条件があるみたいです。
もし感染していたら、保険適応にならないとしても個人的には除菌したいところだけど、、この辺りはどうなんだろう?担当の先生とよく相談するのが良さそうです。
除菌が成功した後も、必要な時には検査をした方が良いこともあるので、担当の先生にその後の方針は相談しておくのがよいかと思います。
私の知り合いにも数名ピロリ菌除菌経験者がいました。
きちんと除菌できていたということで一安心。(*'▽')
最後に
これ健康診断で必ずやる検査というわけではないんですよね。
(会社や学校の健診で組み込まれていることがあるみたいではありますが、少なくとも私の職場は希望者のみです。今のところ。)
でも、胃の調子が悪かったり、既に慢性胃炎や胃潰瘍と診断されたことがある方は、一度検査してみてもよいかもしれません。いや、多分ピロリ菌の検査は、将来のためにしておいた方が良いと思います。そして必要なら除菌をすると…。🤔
それでは今回はこのへんで。ヽ(*´∀`)
※ 今回の記事は2022年9月に調べた内容です。専門医の指導のもと書いたものではないので、あくまでご参考まで。
参考:
日本癌学会|第23回日本癌学会市民公開講座 講演1「胃がんで亡くならないために何をなすべきか」