風疹。感染経路や症状の話。

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今年は風疹が流行っているようですね。

三日麻疹ともいうけど…実際のところどんな感じなんでしょう。

ちょっとお勉強することにしました。

 

風疹って何?

発熱・発疹・リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症のこと。

 

特に問題になるのが、先天性風疹症候群

風疹に感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が感染すると、

胎児にも風疹ウイルスが感染してしまうことがある。

先天性風疹症候群の症状

  • 先天性心疾患
  • 難聴
  • 白内障
  • 色素性網膜症 
  • 低体重、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、黄疸、間質性肺炎、髄膜脳炎
  • 進行性風疹全脳炎、糖尿病、精神運動発達遅滞

…など

 

 

風疹の症状は?

潜伏期間

14日~21日、平均16日~18日。

潜伏期間のちにでる症状

発熱、発疹、リンパ節腫脹 (耳の後ろとか、後頭部、頸部)。 

似た症状の疾患もあるため、症状だけでは診断が難しいこともある。 

 

発熱:38度くらい (37度、39度のこともある)。ただ、半数程度の方は発熱はみられない。 子供だと3日くらい、大人だと5日くらい続くことが多い。

発疹:多くは淡紅色。少し隆起している発疹。 3-5日程度続くことが多い。

リンパ節腫脹:発疹が出る数日前から腫れはじめ、3-6週間続く。

 

その他、風邪のような症状や、眼球結膜の充血など。

 

大人の方が症状が長引くことが多い。

 

風疹の合併症は?

ごく稀に、高熱が続いたり、血小板減少性紫斑病や急性膵炎という合併症で、入院での治療が必要になることもある。

 

子供の方が症状が比較的軽いことが多い。でも、脳炎などを合併することもある。

 

風疹の感染経路は?

主に飛沫感染。 

咳やくしゃみをしたときに出る水滴を飛沫という。

飛沫にウイルスや細菌などの病原体がのって空気中を漂う。

(これを吸い込んで感染するのが飛沫感染。)

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接触感染でも感染し得る。

 

ウイルスの排泄期間は、発疹が出る前後約1週間。

つまり 潜伏期間でも、咳やくしゃみで他の人に感染してしまう。

熱が下がる頃には、排泄されるウイルスの量は急激に減少し、感染力は消失する。

 

風疹の診断は?

全身の発疹、発熱、リンパ節腫脹の3つがそろっていること。

もしくは、 3つのうち少なくとも1つの症状があって、病理体診断のいずれかを満たすもの。

 

病理体診断とは?? 

風疹ウイルス遺伝子を検出する検査など:実施できる機関は限られているので難しいかも… (一部の研究所や大学等)。

血液を使う検査 (血清診断でIgM抗体の検出、またはペア血清での抗体陽転または抗体価の有意上昇でみる) :保険適応でできる検査。 

 

風疹の治療法は?

風疹に特化した治療法はなくて、症状を和らげる対症療法。 

発熱に対して解熱剤が処方されたりします。

その他、合併症や重症化した場合には、それに適した治療が必要になります。

 

学校保健安全法について

風疹は第2種の学校感染症に定められているので、

基本的に発疹が消失するまで出席停止とされています。

ただ、医師の診断によっては、出席停止期間はこの限りではありません。

 

風疹の予防法は? 

風疹ワクチンの接種。 

一度では有効な抗体価が得られないこともある。

また、風疹の抗体は、時間が経つと弱まる性質がある。 

女性は、接種の1ヶ月前から2ヶ月後までは避妊が必要。

妊娠中の場合はワクチン接種はできない。

 

世代によっては、風疹の免疫のない人が多い世代があります。

 

風疹の追加的対策について 2019/4/2追記

ご存知の方も多いかと思いますが…

2019年2月1日に予防接種法の政省令が改正されました。

 

 

特に抗体保有率が低い、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性に対し

1. 予防接種法に基づく定期接種の対象とし、3年間、全国で原則無料で定期接種を実施

2. ワクチンの効率的な活用のため、まずは抗体検査を受けていただくこととし、補正予算等により、全国で原則無料で実施

3. 事業所健診の機会に抗体検査を受けられるようにすることや、夜間・休日の抗体検査・予防接種の実施に向け、体制を整備

厚生労働省-風しんの追加的対策についてより

 

ということだそうです。

今回の対応は、2022年3月31日までの期限付き。

該当する方は、厚労省のホームページをご確認頂くのがよさそうです。

風しんの追加的対策について|厚生労働省 

 

最後に

最も問題になるのは、妊娠中の女性に感染してしまった場合に、

赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症してしまう可能性があること。

 

だから、女性のみならず、男性もワクチンを受けて、
風疹の流行がおこらないようにすること、
女性は妊娠前に感染予防に必要な免疫を獲得してくことが大事なんですね。

 

ちなみに私は抗体がなくて、
昨年1回接種しましたが、まだ足りないということで、

今度また打ちます (´_ゝ`) 

 

 

 

参考: 

国立感染症研究所HP

厚労省HP