最近は、いろんなところでAEDを見かけるようになりました。
今日私がお魚を買ったお店にも、設置ステッカーがはってありました。
でも、、実際使うとなると躊躇することもありそうですよね。私はAEDを見たこともなかった時は、AEDは特殊な装置で、電気ショックなんて、使うの怖いと思っていました。
今回は、AEDの使い方についてまとめます。
最初に書いてしまうならば、、
ちょっとした注意事項だけ覚えておいて、あとはパッドを貼ってボタンを押すだけ。
以上です。(´_ゝ`)b
- どんな時に使うのか。
- 使い方・その① いろいろな会社から発売されてます。動画も充実。
- 使い方・その② 実際の流れ。
- AEDって誰でも使えるの?
- AEDを触ったことないと不安。講習を受けたい場合。
- 最後に。
※AEDは、自動体外式除細動器(automated external defibrillation)の略です。
体の外から、心臓に電気刺激を与える道具です。
どんな時に使うのか。
声をかけても反応がなくて、呼吸をしていない人。
反応がない人の中で、AEDがその威力を発揮するのは、心室細動とか無脈性心室頻拍などの "致死性不整脈" のせいで、心臓がきちんと動かなくしまった時。…この名前は覚える必要ないです。
なぜなら、AEDが威力を発揮するタイプの不整脈かどうかは、AEDが自動的に判断してくれるからです。
AEDは、AEDの効果のある不整脈かどうか判断して、
必要ならその場で治療 (電気ショック) するもの。
使い方・その① いろいろな会社から発売されてます。動画も充実。
AEDの発売元が作成しているデモ動画が分かりやすいです。
一部の会社のURLリンクを貼らせて頂きます。(順不同)
少しずつ機械の見た目や、様式が違うけど、基本操作は同じです。
いざ、必要な時に、どの機械が近くにあるかなんてわかりませんが、動画を2-3個見ておくだけでも、少し違うとおもいます👍
職場などでよく見かけるタイプのものは、使い方くらいを確認しておきたいですね (*'▽')
使い方・その② 実際の流れ。
※この記事では、意識の確認方法や、胸骨圧迫 (心臓マッサージ) や、
人工呼吸のことには、ほとんど触れていませんが…どれも大事です。
心肺蘇生法をする際の、最優先事項は、胸骨圧迫 (心臓マッサージ) です。
AEDを使う時も、基本的に、
心電図の解析中と、除細動 (電気ショック、放電) 時以外は、
倒れている人の反応が戻るまで、胸骨圧迫 (心臓マッサージ) は続けます。
…ということだけ頭の片隅において、以下どうぞ。
心肺蘇生法の一連の流れは上の動画など見た方が分かりやすいと思いますが、今回はAEDの使い方に焦点を当てて、ちょっと細かいことをごちゃごちゃと書きます。
まずは救急車を呼んで、AEDを持ってきましょう。
1.電源を入れる。
わりと目立つところに電源ボタンがあることが多いです。
フタを開けたら、勝手に電源が入る機種もあります。
電源が入ったら、機械が勝手にしゃべり始めます。
その通り進めたらいいように作ってあります。
パッドが入っているので、取り出します。手のひらくらいの大きさのものが多い。
小児用と大人用が入っていることもあります。大人には必ず大人用を。
2.電極パッドを胸にはる。
大抵パッドに絵がかいてあるので、その通りに貼ればOK。
右胸の上あたり (鎖骨の下) と左わき腹あたり (わきの下から5-8㎝)。
パッドが心臓を挟みこむようになっていれば、大体で大丈夫。
なお、パッドは1セット2枚のことが多いですが、この2枚を重ねたりしないように。
皮膚との間は、隙間なくぴったりとはります。
(雑な絵ですみません。)
パッドを貼る時の注意事項。
・直接胸にはる。服の上からではダメです。
・体が濡れている時は、拭いてから。
・胸毛が濃い場合は除毛。
予備のパッドがあったら、パッドのシール部分で毛を剥ぎ取るっていう方法でもOK。剃刀がついていることもあるので、それを使ってもヨシ。
・パッドに金属が接触しないようにする。
・ 胸に異物がある場合、、(ペースメーカーとか除細動器とかポートとか。)
胸に数センチ大のふくらみが見えることがあります。基本的に、見るなり、触るなりで分かります。この上にはパッドを貼らない。少し離してはる。
➡ とりあえず、何か固い異物があったら、その上には貼らない。
除細動器って電気ショックするんでしょ?
これ入れてる人でも、AED使っていいの? →→→ いいです。
(植込み型) 除細動器は、小型のAEDが体内にあるようなものですが、これが入っていても、効果ない。だから倒れてる。➡ AEDで除細動しましょう。
・胸に貼ってある湿布薬などは全てはがして、薬剤をふき取る。
(透明の薄いテープみたいな貼り薬もある。胸についてるものは全部とる。残ったままだと、火傷をしたり、電気ショックの効果が少し薄れたりすることがあるので、全部とる。)
※一度パッドをはったら、救急隊が来るまで貼りっぱなしで!!
※救急隊が来るまでスイッチも入れっぱなしで!!
旭化成さんのパッドは、一体型になっていますね。これは貼る位置を迷わなくてもいいかもしれませんね。(*'▽') 体格によっては、調整が必要でしょうけれど。
ところで…心臓はどのへんにあるのでしょう。
みぞおちよりちょっと上、胸の真ん中から少し左側にあります。
真ん中から少し左側ってどういうことだ…
胸のレントゲンでみると分かりやすいので、ちょっと本の表紙の画像を拝借。
上の写真は、真正面からとった胸のレントゲン写真です。正面から撮影してるレントゲン写真の場合は、左右は図のようになります。真ん中あたりにある白くて丸いのが心臓です。大人の場合は、握りこぶし大くらい。
なお、一人じゃない時は、パッド貼ってる最中も、胸骨圧迫 (心臓マッサージ) は続けます。
3.パッドと機械をコネクターでつなぐ。
最初からつながってるものもあります。
4.機械が自動で解析し始めます (心電図波形の自動解析)。
解析中は胸骨圧迫は中断して、倒れている人を触らないようにします (ノイズのない正しい波形を判断させるため)。
また、周りの人も、誰も倒れている人を触っていないか確認します。
5.機械が除細動 (電気ショック) が必要と判断したら、教えてくれます。
※必要ないと言われたら、胸骨圧迫 (心臓マッサージ) を再開します。
倒れている人の反応が戻っていたら、そのまま救急隊が到着するまで様子をみます。
パッドはつけたままにしておきます。
AED が判断する、「ショックが不要」、というのは、除細動 (電気ショック) が必要な心電図波形ではないというだけです。
最初に書いたとおり、AEDは、除細動が効果的な心電図波形かどうかを判断しているだけなので…。
意識を失う原因には、AEDの効果がないものも、たくさんあります。
つまり、、
ショックが不要=心臓が動いている (血液が十分送り出されている)…
とは限りません。
だからショックが必要ないと言われても、倒れている人の反応がなければ、胸骨圧迫は再開することが大切です。
6.「除細動 (ショック) が必要です」、と言われたら。。
除細動 (電気ショック) のための充電が始まります。
感電しないように、もう一度、倒れている人に誰も触れていないか確認します。
3段階チェック。
「(皆に向かって) 離れてください。」←機械も言ってくれる。
「①わたし、よし!」(自分が触れていないか確認。)
「②あなた (心臓マッサージなどの処置をしている人)、よし!」
「③まわり(その他の人)、よし!」
要は…足元にいる人とかがうっかり触ってることがあるので、倒れている人の全身に触れている人がいないかを確認します。
7.指示に従ってショックボタンを押します。
充電が終わったら、ボタンを押せって指示がでるので、
それに従い、ショックボタンを押します。(ボタンが点滅するものが多い)
【追記】オートショックAEDについて
AEDがショックが必要と判断したら、自動で電気ショックを実行するタイプのAEDです。日本では令和3年に製造販売承認が取得されました。オートショックAEDには、オートショックAEDのロゴマークがついています。
このマークが付いているAEDの場合は、以下の注意が必要だから、必ず使用する人たちは、オートショックAEDであることを認識して使う必要があるね。
オートショックAED使用上の注意点 (厚生労働省、令和3年7月30日)
- 平成16年7月通知でお示ししている各講習を既に受講した救助者は、オートショックAEDを使用する際にショックボタンが存在しないことに混乱するおそれがある。
- 救助者等が除細動ショックの際に患者から離れることが遅れた場合、当該救助者等が放電エネルギーにより感電するおそれがある。
8.その後すぐに胸骨圧迫等、心肺蘇生法をを再開します。
AEDは2分毎に心電図の解析を行います。
AEDが『心電図を解析します』、とか言い出したら、4.に戻ります。
必要あれば、ここから4-8の流れを繰り返します。
AEDって誰でも使えるの?
もともとは、 『AEDの使用は医療行為であるため、①医師、②医師の指示の下での看護師、③救命救急士等の使用に限定』 でした。
それが、平成16年7月に厚生労働省通知によって、
『一定条件の下であれば、医療従事者ではない人でもAEDの使用が可能』
となったそうです。
この厚労省の通知を見てみると…
『救命の現場に居合わせた一般市民がAEDを用いることは、一般的に反復継続性が認められず、 医師法違反にはならないものと考えられる。』ということのようです。つまり、緊急時にAEDを使うことは問題ないという判断。
※『業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急の対応をすることが期待、想定されている』人の場合は、AEDの講習を受けておかなければならなかったり、いくつかの条件があるようですが…
そういう状況にない方は、緊急時のAEDの使用は問題ないということです。
▲新幹線にもAED。
AEDを触ったことないと不安。講習を受けたい場合。
できれば、心肺蘇生法も含めて、一通り講習を受けておいた方が、いざという時に体が動くと思います。先程の厚労省の通知の中にも、義務じゃないけど、ぜひ講習も受けてくださいね、って書いてありました。
練習。
全国の消防局では、定期的に、講習会が開かれているみたいです。
日本赤十字主催のものもあります。
多くのものは数十分から数時間。無料の講習から有料の講習までありますが、どこでも、一連の流れは体験できると思います。興味のあるもの、行きやすいところへ行ってみるのがよいかもですね。(*'▽')
ちなみに私も某協会の講習受けました。(*'▽')/ 勉強になりますよ~。
最後に。
AEDに関しては、最近ほんとによく見かけるようになったな、、と思います。
ただ、今では、運転免許を取るときに、AEDの講習もあるらしいと聞きましたが、自分の時は、まだAEDの講習はありませんでした。
つまり、一回も実物を見たことがない方もいらっしゃるかもで、案外、いざ使うとなると躊躇することがあるのではないかと思いました。
それで、記事にしようかなと。
内容が内容なので、なかなか書くのは難しかったですが…(;'∀')
今回書いた記事は、2018年6月時点のお話で、そのうちもっとすごい機能のついてるAEDとか (いや、もう十分だと思いますけど)、もっと便利な手段とか出てくるかもしれません。。
効果的な心肺蘇生法自体も、細かいことが、ちょいちょい更新されていますしね。
でも、基本は変わらないと思いますので、ちょっと気がむいたその時に、是非、AEDについて、心肺蘇生法について知って頂く機会があればいいなと思います。
しつこいですが、講習会への参加はおススメです。
今回は私のブログにしては、ずいぶんと長くなりました。。
最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。(*- -)(*_ _)
このようなサイト・動画もあるので、ご参考に。
※この動画は「JRC (日本蘇生協議会) 蘇生ガイドライン2020」に準拠したものです。