はしか。麻疹。感染経路や症状の話。

こんばんは。ニュースで「麻疹 (はしか)」の感染報告ってありますね。

      知らないとなんか怖い。。ちょっとお勉強することにしました。

 

 

麻疹 (はしか) って何?

麻疹ウイルスによる、急性の熱性発疹性感染症。

感染力はとても強くて、免疫を持っていない人が感染すると、

90%以上の方が発症してしまう。

 

日本は、2015年3月に、WHO西太平洋地域事務局から、

日本国内に土着株の麻疹ウイルスは存在しないとして、

「麻疹の排除状態」と認定された。

でも輸入感染例による流行はあるので (旅行者が運んでしまうという。。)、

国内の麻疹感染者がゼロというわけではない、ということ…。

確かに時々流行してるって報道をみますね。

 

麻疹の症状は?【カタル期→発疹期→回復期】

麻疹の症状はいくつかの段階ごとに症状が変わっていきます。

① 【潜伏期】

典型的には、潜伏期間は 10-12日 前後。

 

② 【カタル期 (前駆期)】

       風邪のような症状の期間。

発熱、鼻水結膜炎 (結膜充血や眼脂等) などで発症。

2-4日、38度前後の発熱が持続し、咳、鼻水、倦怠感 (体のだるさ) などが悪化。

乳幼児の場合は、下痢や腹痛などを伴うこともある。

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※ コプリック斑 [Koplik斑]※

コプリック斑とは。。

この頃に出現する頬の裏側 (口の中) に出てくる、粘膜斑のこと。

やや隆起した1㎜程度の白い小さな斑点。白い水泡みたいな感じ。

全身の発疹が出てくる1-2日前に確認できます。

残念ながら写真ないので、ググってみてください…。

 

 この時点で麻疹を疑うのは、難しそうですねぇ。。 

 

 

 

③ 【発疹期】高熱も出る

その後一旦熱は少し下がる (1度くらい) が…

 

半日-1日くらいして、高熱 (39度以上とか!) と 発疹 が、同時に出現。

発疹は、耳の後ろ、首、おでこあたりから出始めて、

顔面、体幹部、そのうち腕や足にも広がる。

はじめは鮮紅色で平たい発疹。

そのうち隆起して、融合していく。※指で押さえると色は消えます。 

風邪のような症状は、この時期さらに悪化する。

 

④ 【回復期】

発疹、高熱から3-4日すぎると、徐々に熱はさがって、症状もよくなっていく。

発疹も暗赤色を経て、退色していく。

合併症などがなければ、発症後7-10日くらいで回復する。

 

…が、、

麻疹を発症したら、免疫力が低下するため、

しばらくは他の感染症にかかると重症化しやすくなる。

(免疫力の低下は、数週間から数か月。長い時は2-3年ということも。)

 

 

麻疹の合併症は何?

下のような合併症を併発することがある。

肺炎:ウイルス性肺炎や、細菌性肺炎など。

   免疫不全の時に麻疹を発症した場合、巨細胞性肺炎という、

   予後のよくない肺炎を発症することもある。

中耳炎:乳幼児の場合、膿性耳漏で気づくことも。

クループ症候群:咽頭 (声を出すあたり) が炎症のために腫れて、

                             様々な症状をきたす。

        息を吸うことが苦しくなったり、息を吸うとゼイゼイしたり、

        声がかれたり、犬の吠える声ににた乾いた咳が出たりする。

心筋炎:ときに合併。

脳炎:1,000人に一人、発症することがある。

発疹が出てから、2-6日頃に発症することが多い。脳炎発症後、60%程度は完全に回復、一部の方に後遺症、致死率は約15%。

亜急性硬化性全脳炎 (SSPE):10万人に1人、発症することがある。

7-10年後に発症することがある。知能障害、運動障害が徐々に進行し、発症から6-9カ月で死に至る。

 

合併症を併発する方は結構多くて、

30%くらいの方にみられるとか。

 

麻疹の感染経路は?→空気感染!

人から人へ感染する。

空気感染、飛沫感染、接触感染、なんでもあり。

 

空気 (飛沫核) 感染とは…

咳やくしゃみをしたときに出る水滴を飛沫という。

飛沫にウイルスや細菌などの病原体がのって空気中を漂う。

これを吸い込んで感染するのが 飛沫感染

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漂ううちに水分が蒸発して、飛沫核という小さな粒子になる。

これはとても軽くて、長い時間、そして遠くまで飛んでいくことができる。

飛沫核を吸い込んで感染するのが 空気感染

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なお、空気感染するものは、結核、麻疹、水痘 (水ぼうそう)。

 

感染性があるのは、発熱などの症状が出る1日前から、発疹出現後4-5日目くらいまで

学校保健保全法では、麻疹を発症した場合は、解熱後3日間を経過するまで出席停止。

 

 

麻疹の治療法は?

麻疹そのものに対しては、特別な治療法はなく、

対症療法 (原因になるものをどうにかするのではなく、症状そのものを和らげてあげる治療) が中心となる。たとえば、脱水に対して点滴や、咳止めの薬などによる治療など。

 

肺炎や中耳炎などの合併症を併発している場合は、それに応じた治療、

たとえば抗生剤などによる治療が必要となる。

 

麻疹ウイルス暴露後、72時間以内に麻疹含有ワクチンを接種することで、発症を予防できる可能性があるとのこと (なんでなんだろ。そこまで調べきれず)。

 

 

 

麻疹の予防法は? 

麻疹は空気感染。飛沫をまき散らさないようにする咳エチケットは大事ですが…

マスクで感染を防ぐことは難しい。

唯一の予防方法は、ワクチンを接種して、免疫を獲得すること。

 

 

麻疹のワクチン

麻疹ウイルスのワクチンは、弱毒生ワクチン。

これ、現在は定期接種の対象だけれども…(子供の頃に2回)

年代によって、接種している状況が異なるため (一度も接種していない年代がある)、

免疫をもっていない方もいる。

 

接種後2か月間は妊娠を避けることが必要。

  

ちなみに、最近では、免疫の持続期間は、一生ではなく、

自然感染で40-50年、ワクチン一回接種で約10年などと言われているようですが。。

麻疹もそうなのかな?

 

自分…先日検査したら、麻疹のウイルス抗体価は、、

十分な免疫…なしでした (´_ゝ`)ちーん。

 

【後日談】

ワクチン打ちまして、十分な抗体価になりました。 よかったよかった。

 

修飾麻疹て何?

麻疹の免疫が不十分な場合、麻疹ウイルスに感染することがあるが、

この場合は、軽症で 典型的ではない麻疹を発症することがあり、

これを修飾麻疹という。

例えば、潜伏期が長い。 高熱が出ない。発熱期間が短い。カタル期の症状が乏しい。発疹が全身には出ない。発疹が融合しない。などなど…。

感染力は弱いが、感染源にはなる。 

典型的な症状ではないので、症状だけからでは診断が難しい。

(だから、ウイルス遺伝子検査や、抗体検査などで診断。)

 

 

もし疑わしい症状があったら、どうしたらいいのか。

免疫を十分もっていない方も多いはずだから、

日本に住んでいたって、大人だって感染する。

 

麻疹はとにかく感染力が強い。 

怪しい症状が出た時は、特に麻疹の患者さんに接触した可能性がある時は、

免疫のない他の方々に感染が拡大しないよう、、

まず 医療機関に電話で相談してから、受診。

(待合で待っている間に他の方にうつしてしまうこともあるから、

 それを防ぐ意味でも、事前に相談した方がいい)                       

  • 麻疹患者さんと接触した (もしくは可能性がある)。
  • どんな症状が、いつ頃からあるか。

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受診する時は、公共交通機関の使用は避ける。

人が多い場所にはいかない。

 

 

 

最後に。 

以上、お勉強おしまい。

一応調べながら書いたつもりですが、、

正しい知識は成書をご参考ください。(´_ゝ`)

 

 

 

 

参考:厚生労働省 麻しんについて

   国立感染症研究所 麻疹Q&A

   他